トップ > 企業インシデント

トレードワークスに不正アクセス|管理機能の設定不備、損失5千万円の見込み

証券会社向けにネット取引のシステムを作るトレードワークスは2026年10月23日、岩井コスモ証券に提供しているシステムへの不正アクセスについて、原因と損失の見込みを公表しました。 本来は限られた環境からだけ使うはずの管理機能が外から使える状態になっており、第三者がそれを悪用したとしています。損失は約5千万円と見込んでいます(トレードワークスの2026年10月23日の発表)。 岩井コスモ証券のネット取引の顧客と、業務のシステムを外部に作ってもらっている会社に関係します。被害を受けた岩井コスモ証券側の発表は岩井コスモ証券の速報にまとめています。

公表された内容

  • 原因:システムの一部の管理機能の設定に不備があり、本来は限られた環境からだけ使うはずの機能が外から使えたとしています(2026年10月23日)。顧客のログインには多要素認証・パスキーなどがあり、通常の経路からの不正ログインは防げていたとしています(2026年10月16日)
  • 起きたこと:第三者が管理機能を使って不正な取引をし、顧客の口座で意図しない売買の注文が成立したとしています。岩井コスモ証券が同じ日に取引の前の状態に戻し、顧客の金銭の負担や資金の流出はないとしています
  • 情報の流出:4,975人(2026年10月23日。10月16日の4,611人に、再調査で分かった364人を加えたもの。新しい不正アクセスによるものではないとしています)。情報は氏名・メールアドレスなどで、この情報だけでは口座へのログインや取引はできないとしています。管理機能を通じてパスワードが取られたことは確認されていないとしています
  • 損失:約5千万円の見込みで、2026年12月期の第4四半期に特別損失として計上する見込みとしています(確定した額ではないとしています)。損失と対応の費用は同社が全額を負担する方針で、サイバー保険が使える見込みとしています
  • ほかの金融機関:ほかの金融機関に提供するシステムも点検し、同じ事象は確認されていないとしています

経緯

  • 2026年10月14日:不正アクセスを検知し、アクセスの遮断などの緊急の措置。管理機能の利用を止め、不正に確立された接続を無効にし、攻撃元からの通信を遮断
  • 2026年10月16日:4,611人の情報の流出を公表(適時開示)
  • 2026年10月23日:経過を公表。対象を4,975人に直し、原因・再発防止策・損失の見込み(約5千万円)を公表

会社の対応

  • 問題の管理機能を外から使えないよう恒久的に直し、接続元の制限、不正なアクセスの検知・遮断の強化、監視の体制の拡充を行ったとしています
  • 第三者機関の知見も使いながら、システム全体の点検を続けるとしています
  • セキュリティの報告の基準と情報共有のしくみを見直すとしています
  • 攻撃の情報を関係機関と共有するとしています

中小企業が今日からできること

  • 管理画面がどこから開けるかを確かめる:自社のウェブサイト・通販・業務システムの管理画面(/admin など)が、社外のインターネットから開ける状態になっていないか、委託先に聞き、IP の制限か VPN の内側に置く
  • お客様のログインだけでなく管理側のログインも強くする:お客様のログインに多要素認証があっても、管理機能が守られていなければ意味がない。管理者のアカウントにも多要素認証を設定する
  • システムを納める会社との契約に、設定の点検と費用の負担を入れる:設定の不備で事故が起きたときにだれが費用を持つか、年に何回設定を点検するかを契約で決めておく
  • サイバー保険の中身を確かめる:自社が入っている保険が、取引先への補償や調査の費用まで対象かを確かめる
  • 委託先の事故を知らせ合う窓口を決める:委託先が検知したときに、何時間以内に自社へ知らせるか、自社のお客様への知らせはどちらがするかを取り決めておく

出典

企業インシデントの記事

プレステージ・インターナショナルに不正アクセス|ロードサービス利用者最大約550万件が流出

プレステージ・インターナショナルが11月2日、グループの業務システムへの不正アクセスで、ロードサービスを使った人の個人情報が最大約550万件外部に持ち出されたと公表しました。公表の内容と中小企業が確かめたい点をまとめます。