【インシデント速報】2026年8月5日|PeakManager3300万件漏えい・ファイブフォックスにランサム
【インシデント速報】2026年8月5日|PeakManager3300万件漏えい・ファイブフォックスにランサム
自社の顧客情報を預けている予約・顧客管理SaaSが破られると、自店の顧客名簿がまるごと外部に出る。
ランサムウェアに感染したら、被害拡大を止めるには「まずネットワークを切る」判断を即座に下せるかが分かれ目になる。
「どのサービスに顧客情報を預けているか」と「感染時に誰が何を止めるか」を、今日棚卸しする。
予約・顧客管理「PeakManager」に不正アクセス、最大約3300万レコード漏えいの可能性
リラクゼーション・エステの予約サービスを手がける株式会社EPARKリラク&エステは7月31日、同社の予約・顧客管理プラットフォーム「PeakManager」のデータベースが不正アクセスを受け、利用者の個人情報が外部へ漏えいした可能性があると発表した。
同社は7月27日、不正な方法でPeakManagerの一部データベースにアクセスされ、保存されていた顧客情報が削除されていることを確認した。漏えいした可能性がある情報はレコード数で約3300万件に上り、氏名・生年月日・性別・住所・電話番号・メールアドレス・暗号化されたパスワードなどが含まれる。クレジットカード情報とマイナンバーは含まれていない。ダークウェブ上で攻撃者が犯行声明を出したとも報じられている。
同社は被害拡大の防止策として、利用者に対しパスワードの変更を呼びかけている。約3300万件という数字はデータベース上のレコード数であり、同一人物の重複を含む可能性があるため、実際の対象人数とは一致しない見込みだ。第一報の段階では原因の特定と影響範囲の確認が続いており、今後の続報で対象や被害の全容が更新される可能性がある。
中小企業への影響
PeakManagerはリラクゼーションやエステの店舗が予約・顧客管理に使う基盤で、利用しているのは多くが小規模な店舗事業者だ。自店では何も設定を誤っていなくても、預けた顧客名簿が丸ごと外部に出る。「顧客情報を自社サーバーに置いていないから安全」ではなく、預け先のSaaSが破られれば同じ被害になる、という典型例だ。
推奨対応
- PeakManagerを利用していれば、管理者・スタッフ全員のパスワードを直ちに変更し、同じパスワードを他サービスで使い回していないか確認する。
- 自店の顧客に対し、なりすましメールや不審な連絡への注意を早めに告知し、問い合わせ窓口を明示する。
- 自社が顧客情報を預けている予約・決済・顧客管理などの外部サービスを一覧化し、それぞれの漏えい時の連絡手順を確認しておく。
ファイブフォックス、本社サーバーの一部でランサムウェア感染の可能性
アパレル大手のファイブフォックスは、本社サーバーの一部がランサムウェアに感染した可能性があることを確認したと公表した。同社は通常のセキュリティ調査の過程で異常を把握し、被害の拡大を抑えるためサーバーを停止。あわせてインターネットやメール機能なども止めて対応にあたっている。
顧客情報などの流出を含む影響範囲は現在調査中としている。実店舗は通常どおり営業しており、オンラインストアも別システムで運営しているため、本件による影響はなく稼働していると説明している。
中小企業への影響
注目すべきは、攻撃を受けた際に「サーバーを止め、ネットとメールを遮断する」という被害拡大防止の初動を実行できている点だ。中小企業では、感染に気づいても「業務が止まるから」と稼働を続けてしまい、被害を広げるケースが多い。止める判断を誰が下すか、止めても業務が回る代替手段があるかを、平時に決めておけるかどうかで結果が変わる。
推奨対応
- ランサムウェア感染を想定し、「ネットワークを遮断する判断者」と「連絡先・手順」を1枚にまとめておく。
- 基幹システムとは別に、最低限の業務を続けられる代替手段(別回線・クラウド・紙運用など)を用意する。
- バックアップをネットワークから切り離して保管し、実際に復元できるか定期的に試す。
編集部まとめ
PeakManagerは「預けた先」が破られた事例、ファイブフォックスは「感染時に止められるか」が問われた事例だ。中小企業がすぐ着手できるのは、顧客情報を預けている外部サービスの棚卸しと、感染時に誰が何を止めるかの取り決め。この2つは費用をかけずに今日から進められる。

